Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~213-3

全身の、頭から足までの、その12種類の特徴を識別できるようになったならば、あなたは、前に述べたように、観察の順序を地・水・火・風に変更して、引き続き、再三再四、それらを識別するべきである。

このような順序で、頭から足まで、そのそれぞれの特徴を、あなたが、非常に速く、すなわち、一分内に、三回転(12種類の特徴を識別するのを一回と数える)させながら、それらを、逐一、識別できるよう、修習にチャレンジする。

今、あなたは、全身の12種類の特徴を識別することに熟練し、かつ、これらの特徴は、非常にはっきりと知ること(+ができるようになった)。

あなたは、前の6種類の特徴を地界として、同時に識別しなければならない;

その後に、引き続いて、二種類の特徴を水界として識別する;

次に、二種類の特徴を火界として識別する。

その後、引き続きそれらを地、水、火、風として識別し、それによって、心を静め、定力を獲得するようにする。

不断に繰り返して、100回、1000回、100万回も修行すること。

この段階において、実用的な、よい方法が一つある。

同時に、全身をくまなく見て、かつ、全身の四界を、継続して識別するのである。

心をして、専注と平静を保つさせるために、あなたは、前述したような、注意力を身体の一つの部位から別の部位に移すようなことをしてはならなず、同時に、全身をくまなく見る(+方法を採用する)のである。

通常、最もよいのは、あなたは、あなたの両肩の後ろから前に向かって、全身をくまなく見る、という方法である;

または、頭の頂部から下に向かって全身をくまなく見る。しかし、この方法は、ある種の修行者にとっては、(+身体の)締め付け感を齎し、諸々の界のバランスを失うという問題を引き起こすかもしれない(+ので注意する事)。

引き続き、四界分別観によって定力を育成し、かつ近行定(upacāra-samādhi)に向かう時、あなたは、異なる種類の光を見ることができるようになる。ある種の禅修行者について言えば、最初に見られる光は、煙のように灰色をしている。

もし、引き続き、灰色の光の四界を識別するならば、それは綿のように白くなり、その後に白く光って、雲のようになる。

この時、あなたの全身は、一塊の白色の物体に変化する。

引き続き、白い物体の中の四界を識別するならば、あなたは、それらが、透明でキラキラしていて、氷塊のようであるか、またはガラスのようであることに気が付くであろう。

引き続き、透明体の中の四界を識別し続けると、あなたは、それが燦然として、光芒を放射していることに気が付くであろう。あなたが引き続き、それらの光の中の四界を、少なくとも半時間専注することができるならば、それは近行定に到達したのだ、と言える。

この光を利用して、透明体内部の小さな空間を探し、これによって、透明体の中の空界を識別する

あなたは、透明体が粉々に砕けて、多くの微粒子になることを発見するであろう。これらの微粒子は、色聚(rūpa-kalāpa)と呼ばれる。この段階に到達したならば、あなたは、これらの色聚を分析することを通して、更に一歩進んで、見清浄(diṭṭhi-visuddhi)を育成する。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

訳者コメント:下線訳者。日本で見られる五重塔は、地、水、火、風に空を足した5界の象徴だそうです。

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>