パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~213-5
<如何にして名法を分析するか>
まず最初に、《アビダンマ論 Abhidhamma》の基本原則を、簡単に説明する。
もし、名業処を理解したいのであれば、先にそれらの原則を、知らなければならない。
《アビダンマ論》の中においては、名(名法;精神)は、対象を認識できる「心」と、心に随伴して生起する「心所」を含むものとしている。
心所は、52種類ある。
たとえば、触(phassa)、受(vedanā)、想(saññā)、思(cetanā)、一境性(ekaggatā)、命根(jĪvitindria)、作意(manasikāra)等である。
心は合計89種類あり、それらの善、不善、または無記(非善非不善)によって分類する。
または、それらの存在する界によって分類できる:欲界(kāmāvacara)、色界(rūpāvacara)、無色界(arūpāvacara)または出世間(lokuttarā)である。
簡単に言えば、二種類の心がある:
一、心路過程心(cittavīthi-citta);
二、離心路過程心(vīthimutta-citta);結生、有分または死亡の時に発生する。
心路過程には6種類ある:眼門心路過程、耳門心路過程、鼻門心路過程、舌門心路過程、身門心路過程、意門心路過程である;それぞれ色塵、声塵、香塵、味塵、触塵、法塵を対象とする。
前の五種類の心路過程は、合わせて五門心路過程(pañcadvāra-vīthi)といい;六番目の心路過程を意門心路過程(manodvāra-vuīthi)という。
一種類ごとの心路過程は、一系列の、異なる種類の心を含み、これらの心は、心法の法則(cittaniyāma)に従って、適当な順序で生起する。
もし、名法を識別したいのであれば、あなたは、心法の法則の次第に従って、それらを照見しなければならない。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>