南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~213-5

<如何にして名法を分析するか>

まず最初に、《アビダンマ論 Abhidhamma》の基本原則を、簡単に説明する。

もし、名業処を理解したいのであれば、先にそれらの原則を、知らなければならない。

《アビダンマ論》の中においては、名(名法;精神)は、対象を認識できる「心」と、心に随伴して生起する「心所」を含むものとしている。

心所は、52種類ある。

たとえば、触(phassa)、受(vedanā)、想(saññā)、思(cetanā)、一境性(ekaggatā)、命根(jĪvitindria)、作意(manasikāra)等である。

心は合計89種類あり、それらの善、不善、または無記(非善非不善)によって分類する。

または、それらの存在する界によって分類できる:欲界(kāmāvacara)、色界(rūpāvacara)、無色界(arūpāvacara)または出世間(lokuttarā)である。

簡単に言えば、二種類の心がある:

一、心路過程心(cittavīthi-citta);

二、離心路過程心(vīthimutta-citta);結生、有分または死亡の時に発生する。

心路過程には6種類ある:眼門心路過程、耳門心路過程、鼻門心路過程、舌門心路過程、身門心路過程、意門心路過程である;それぞれ色塵、声塵、香塵、味塵、触塵、法塵を対象とする。

前の五種類の心路過程は、合わせて五門心路過程(pañcadvāra-vīthi)といい;六番目の心路過程を意門心路過程(manodvāra-vuīthi)という。

一種類ごとの心路過程は、一系列の、異なる種類の心を含み、これらの心は、心法の法則(cittaniyāma)に従って、適当な順序で生起する。

もし、名法を識別したいのであれば、あなたは、心法の法則の次第に従って、それらを照見しなければならない。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>