<如何にしてジャーナ心路過程を識別するのか>
もし、あなたが、安般念またはその他の法門によって、ジャーナに到達することができるならば、名法を識別する最もよい方法の起点は、ジャーナと相応する心と心所を識別することである。
このようにすることには、二つの理由がある:
一つ目の理由は、ジャーナを育成する時、あなたはすでに五禅支を観察した事があり、ジャーナと相応する心所を識別することに関しては、すでにいくらかの経験があるからである。
二つ目の理由は、ジャーナにおいては、ジャーナ速行心(jhāna‐javana―citta)が連続して何度も生起するが、この心が非常に顕著なため、識別が容易な事があげられる。
比較してみると、この心と通常の欲界心路過程(kāmāvacara‐vīthi)との差は歴然である。欲界心路過程の中では、速行心(javana)は7回しか生起せず、その後には、別の心路過程が生起する。
こうしたことから、もし、あなたがすでにジャーナ、たとえば、安般ジャーナに到達していて、かつ、名法の識別をしたいと思っているのであれば、あなたは先に初禅に入るべきである。
初禅から出た後、有分(すなわち、意門)と安般似相を、同時に識別するべきである。
安般似相が有分の中に出現した時、あなたは、禅支の個別の特徴をもって、五禅支を識別することができる。
引き続き、あなたは、一つ毎の初禅速行心(javana―citta)の中において、同時に、五つの禅支すべてを識別できるまで、修行する。
五禅支とは:
一、尋(vitaka):似相に心を投入し、かつ、安置する;
二、伺(vicāra):心をして、似相に留める。
三、喜(pĪti):似相を好む;
四、楽(sukha):似相によって生じた楽受または楽しさを体験する;
五、一境性(ekaggatā):似相に対して、一心に専注する。
この五種類の名法を識別した後、あなたは、初禅速行心の心識刹那の中のその他の、一つずつの名法、識(viññāṅa)、触(phassa)または受(vedanā)の中の一種から、識別を開始しなければならない。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>