南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-6

4-1、軛孔経

ここで、私は《相応部・軛孔経》(Saṁyutta Nikāya、Chiggaḷayuga Sutta)の中の経文を一部分引用して、四聖諦の重要性を説明したいと思う。

この経の中で、仏陀は言う:

「比丘たちよ。もし、ある人が、真ん中に穴の開いた軛を大海の中に放り込んだとして、そして、海の中に一匹の盲目の海亀がいるとして、そのカメが百年毎に一度だけ海面に浮かび上がるとする。比丘たちよ。あなた方はどう思うか?あの、百年に一度だけ海面に浮び上がる盲目の海亀は、その頭を、真ん中に穴の開いた軛に突っ込むことがあるだろうか?」

「世尊、もし、その海亀がそのようにするならば可能ではありますが、しかし、非常に長い時間が掛かります。」

「その、百年毎に一回だけ海面に浮かび上がる盲目の海亀が、真ん中に穴の開いた軛に頭を突っ込むのに必要な時間は、愚かな人が、悪道に堕ちた後、再び人間界に生まれ変わる時間より、なお短い。どうしてか?比丘たちよ。悪道における行為は、仏法の導きがなく、正しい行為がなく、善行がなく、徳行がなないが故に。

そこにおいて常に見られるのは、相互の殺戮と、弱肉強食である。

どのようにしてか?

比丘たちよ。

その理由とは、彼らが四聖諦を知らないからである。

四聖諦とは何か?

それはすなわち、苦聖諦、苦の集の聖諦、苦の滅の聖諦と苦の滅に至る道聖諦である。

ゆえに、比丘たちよ。

『これは苦である』と知ることに努力しなければならない;

『これは苦の原因である』と知ることに努力しなければならない;

『これは苦の止滅である』と知ることに努力しなければならない;

『これは苦の滅に至る道である』と知ることに努力しなければならない。」

ここから、(+我々は)知ることができる。

もし、悪道に堕ちる事を避けたいと思うのであれば、四聖諦を知らなければならない。

中道とは、四聖諦を知り、涅槃を証悟するための徹見、真知、正覚を獲得する唯一の道なのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-7につづく)

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>