南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-18

アッサカ王は、それを聞いた後、即刻、己の行為に恥ずかしさを覚えた。

彼はその場ですぐに、部下に命じて皇后の遺体を取りのけさせ、己の頭を洗った。

彼は菩薩に礼拝すると、自分の城へ帰って行った。

その後、彼は一人の皇后を娶り、王国を公正に統治した。

菩薩は、国王を指導し、彼の悲痛を取り除いた後、ヒマラヤの麓に、帰った。

この物語を語った後、世尊は仏法を開示した。

開示が終わると、前妻を思念する比丘は、初道と初果を証悟した。

その後、世尊は、あの(+物語の)世の出来事の人々についてこう語った:

「あなたの、すでに亡くなった前妻はウッパリーで;あなたはアッサカ王であった;シャーリプトラは、あの年若い婆羅門で、あの沙門は私です。」

このように、ウッパリー皇后は人間であった時に、生活が放逸で、愛楽を追及した。彼女の、喜と貪の付随する貪愛は、彼女をメスの糞虫(=糞の中にいる蛆虫)に生まれ変わらせる原因となった。糞虫のような下等な生命に生まれても、彼女は引き続き愛楽に沈潜して、新しい夫と共に、歓び(+の種を)探し、楽しく過ごす(+ことに執着している)。

これこそが、まさに貪愛の特徴であるーー四方に愛楽を求める事。

しかし、そのようなことは、ウッパリー皇后がそうであっただけでなく、一切の、いまだ果を証悟していない凡夫は皆、生死輪廻の中で、四方に愛楽を追い求め、貪愛が生死輪廻の中で尽きせぬ痛苦を齎すことを、知らないでいるのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-19につづく)

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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>