アッサカ王は、それを聞いた後、即刻、己の行為に恥ずかしさを覚えた。
彼はその場ですぐに、部下に命じて皇后の遺体を取りのけさせ、己の頭を洗った。
彼は菩薩に礼拝すると、自分の城へ帰って行った。
その後、彼は一人の皇后を娶り、王国を公正に統治した。
菩薩は、国王を指導し、彼の悲痛を取り除いた後、ヒマラヤの麓に、帰った。
この物語を語った後、世尊は仏法を開示した。
開示が終わると、前妻を思念する比丘は、初道と初果を証悟した。
その後、世尊は、あの(+物語の)世の出来事の人々についてこう語った:
「あなたの、すでに亡くなった前妻はウッパリーで;あなたはアッサカ王であった;シャーリプトラは、あの年若い婆羅門で、あの沙門は私です。」
このように、ウッパリー皇后は人間であった時に、生活が放逸で、愛楽を追及した。彼女の、喜と貪の付随する貪愛は、彼女をメスの糞虫(=糞の中にいる蛆虫)に生まれ変わらせる原因となった。糞虫のような下等な生命に生まれても、彼女は引き続き愛楽に沈潜して、新しい夫と共に、歓び(+の種を)探し、楽しく過ごす(+ことに執着している)。
これこそが、まさに貪愛の特徴であるーー四方に愛楽を求める事。
しかし、そのようなことは、ウッパリー皇后がそうであっただけでなく、一切の、いまだ果を証悟していない凡夫は皆、生死輪廻の中で、四方に愛楽を追い求め、貪愛が生死輪廻の中で尽きせぬ痛苦を齎すことを、知らないでいるのである。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-19につづく)
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>