この世界で生活するという事は、己自身の心・身と外部環境との、双方向的関係性以外のなにものでもない。
我々の目が、たとえば、美しい人、きれいな洋服等、意に適う対象を見たとき、愉悦の感受(楽受)が生じ、対象を良いもの、美しいものとして認め、次に、好きになり、愛着する。
もし、この好ましいという感情が、更に進んで強化されると、次には、対象を手に入れたい、持っていたいという心理が生まれる。この心理現象は、貪である。
同様に、我々耳触りのよい音楽、他人からの称賛を聞き、よい香りを嗅ぎ、美味しい食べ物を食べ、異性の滑らかな皮膚を触るなどする時、貪欲は非常に容易に生起する。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(3-15につづく)
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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>