第四節 如何にして潜在性煩悩を取り除くのか
潜在性煩悩、心内の煩悩を取り除きたいのであれば、慧を修して、智慧を育成するべきである。
智慧を通してしか、煩悩を根底から取り除くことはできない。
ここでいう智慧とは、頭の回転が速いとか、理解する力が強いとか、記憶力がよいとか、を言っているのではないし、また、商売上手、仕事巧者、戦争強者、テストに強いことを言うのでもない。
これらの能力は、才能または聡明とは言えるが、しかし、仏教の言う所の智慧ではない。
仏教でいうところの智慧とは、人生の真相を徹底的に知り、世間の本質を洞察する力、それを智慧を言う。
定力を育成する方法は ”止の修行” と言われ、智慧を育成する方法は ”観の修行” と言われる。
それはたとえば、名色法の如実なる観照、世間の無常・苦・無我の本質の観照を言う。故に、定力の育成と智慧の育成は、合わせて ”止観” (+の修行)と言われる。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-8につづく)
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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>