「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)5-5
第二節 慈愛の散布
次に、みなさんに、慈愛を散布する方法を説明する。
慈愛を散布する、とはどういう事か?
それは、他人を祝福し、他人の幸福、歓びを祈願する事である。
慈愛を散布する時、目を閉じて、まず先に己自身を祝福し、己自身の歓び、己自身の幸福を願う。
あなたは、以下のように黙念すると良い:
”願わくば、私が楽しく、幸福でありますよに!”
その時、同時に、注意深く、己自身が本当に楽しく、本当に幸福であるように感じるようにする。
もし、己自身の幸福を感じ取るのが困難な時、あなたは、過去の時点において、己がなした、楽しい出来事、痛快な出来事ーーたとえば、人を助けたとか、布施をしたとかーーを思い出して、その時の楽しさを感受し、また、この楽しさ、嬉しさを持続させる。
このようにして、何分か経った後、次に、あなたが非常に尊敬している人、敬っている人ーーたとえば、あなたの教師、あなたにとって恩のある人など、しかし同性であるべきで、異性であってはならないがーーを、慈悲を散布する対象として、選ぶ。
あなたは、祝福の心を発散し、細心の注意を払って、相手が真実楽しく、非常に幸福であることを感受するようにする。
慈愛を(+対象に向かって)発散することができたならば、できる限り、(+その時間を)持続できるようにする。
尊敬する人に慈愛を発散する事が出来たならば、引き続き、その他の、尊敬する人に慈愛を送る。その後に、あなた自身の家族、あなたの友人、あなた会社の同僚、そして、すべての人々、知っている人、知らない人も含めて、一切の有情も含めて、祝福を送るのである。
これが慈愛である!
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-6につづく)
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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>