★「目の中の塵」(翻訳文)1-9
ある時、ある一人の比丘の行為があまりにもひどくて、仏陀は森に入り、言った:
「私は、私の知っているすべての教えを、私の弟子に伝えた。しかし、ある種の弟子は、それを受け入れない。」
そして、物語は以下のように続く:
仏陀は森の中で閉門蟄居し、彼の必要とした食物は、大象と猿たちが、マンゴーとバナナでもって、供養した。
三か月後、在家信者が仏陀に戻ってきて欲しいと懇願した・・・というのも、彼の弟子は、仏陀のようには、上手に彼らを指導することができなかったから。
すべての方法が失敗に終わったとき、仏陀は最終的に、この比丘、及びその他のサンガとの、一切の往来を断ち、二度と彼を指導しようとはしなかった。
可哀そうなチャンナは、この事例の一つであったが、しかし、彼は、最終的には、過ちを改めることができた。
チャンナは、常に、自分は仏陀の特別な従者であると自慢して、往々にして、その他の僧侶たちの不満を誘った。
仏陀がシッダッタ太子であった頃、チャンナは彼の馬の御者であったが、そのために、彼は口を開けば「我々の仏陀」または「私の仏陀」、「我々のサンガ」または「私のサンガ」というのが、口癖だった。
このように言えば、それはまるで、彼と仏陀が、共同でサンガを打ち立てたかのように聞こえる。彼は、仏陀は己自身に所属していると考えており、大衆に所属しているとは、考えなかったのである。
彼は、禅の修行に励まないだけではなく、彼の話をする時の態度、また、十分に彼の教師を務める事の出来る長老の話を、聞かなかったために、多くの人の怒りを買った。
最後に、仏陀は厳しく彼を懲戒したーー彼は、どの僧侶とも、会話することを禁じられたのである。
チャンナは大いに驚き、ほどなくして、阿羅漢果を証悟した。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(1-10につづく)
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<ケーマ尼著「「目の中の塵」中国語→日本語
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>