8-6-2 諸根のバランス
安般念禅相に専注する時、有分心に落ちるのを避けるためと、また、引き続き定力を向上させる為に、あなたは五根(+の力)に頼らなければならない;
信(saddhā)、精進(vīriya)、念(sati)、定(samādhi)、慧(paññā)によって、心を策励させ、心をして専注させ、(+心をして)似相に固定させる。
五根とは、心をコントロールする五種類の力であり、それらは、心をして、涅槃へ向かう止(samatha)と観(vipassanā)の正道から離れないようにする(+ことができる)。
8-6-2-1 信(saddhā)
五根の内、一番目は、信である。
信の特徴は(信じるべき事柄 saddheyya vatthu)に対して、信心(=確信、納得)がある、という事である。
その作用は清澄で、清水宝石が、混濁した水を清らかにすることができるが如く、である;
または励起で、洪水に向かって行き、洪水を渡るが如くである。
現起(=現象)は、迷妄ではないこと、すなわち、心の不浄を取り除くか、またはそのように決意し、その決意に、迷いがない事。
近因は、信じるべき事柄、たとえば、三宝、業報の法則、縁起、または正法の聴聞、およびソータパナの素質、である。
(+ )(= )訳者。句読点原文ママ。(5-28につづく)
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>