先日、日課の水中運動に行って、ジャグジーで寛いでいた時の、話。
近所のおばさん「あなた、のんびり気持ちよさそうに
ジャグジーに入ってらして・・・。あなた、実家は裕福なおうちで、幸せに育ったんでしょうね」
私「いえ、いえ。そんなことはありませんよ」
「(祖母と両親は、当時、日本の植民地だった台湾からの移民で)いい時もあれば、悪いときもあって、一家で夜逃げしたこともありますよ」
おばさん「そんなご冗談を。あなたは絶対、いいところの御嬢さんでしょ」
私「・・・」(な、なんという誤解!)
台湾からの移民だった父は、日本語ができない事もあって、商売がうまくいったり、いかなかったり。
私が高校二年の時、とうとう倒産して経済状態が最悪になり、私は高校を卒業すると、上京して、お勤めをしながらお金を貯めて、自力で大学(夜間)に進学したのですけどね。
もし、私が、彼女の言うように、割とおだやかな表情をしているのだとしたら、それは仏陀(釈尊)のおかげでしょう。
仏陀は言いました。
世界中の道路に棘が生えているとして、その道を全部、皮革で覆う事は出来ない。あなたが棘で傷つきたくないと言うのなら、あなたが革靴を履けばいいのです、と。
そう、外界に生じる、嫌なこと、悲しい事は、これまでも、決してなくなることはなかったし、これからも、決してなくなることはない。
けれども、己自身の六根(目、耳、鼻、舌、身体、意)の門を守ること、これならできます。
道具もいらないし、お金もいりません。ただひたすら、己の心をよく観察して、心が外界に漂い出るのをコントロールする、それだけです。
己を大事に思う人は、危うきに近寄らず、です。
「六根の門を守れ」と教えた仏陀の技を、生涯かけて磨けば、いつか君子になることができますよ。