南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-18

定の特徴、作用、顕現、近因

問題三:定の特徴、作用、顕現、近因とは何か?

回答三:定の特徴は「不散乱(散乱しない事)」、作用は「散乱の除去」、顕現は「不動揺(動揺しない事)」、近因は「楽しい」。《清浄道論・第三品》

止禅を修行して、定力を育成しようとしている人にとって、上記の文言は、非常に奥深い陳述である。

(一)「不散乱」、

(二)「散乱の除去」、

(三)「不動揺」、(四)「楽しい」。

この四つの項目は、詳細に考察されなければならない。

その中で、「楽しい」というこの項目が主導する近因は、最も重要である。

上記の記述を理解する為に、非常に忙しい企業家を想像してみたい。

一日中忙しかったので、彼は非常に疲れている。しかし、一時間半後には、非常に重要な会議が彼を待っている。

今、彼はすべての仕事を手放し、呼吸念(または安般念という)の修行をする。

20分後に彼は入定した。

彼の秘書が門の前に来て、扉をノックしようとしたとき、秘書は彼が坐して動かないのを見た。

これが定の顕現「不動揺」である;

この時、彼の心には「不散乱」の特徴が顕現しており、彼の証得した定には「散乱を除去する」作用がある。

しかし、これらの一切を生じせしめる近因(直接原因)は、「楽しい」である。

この楽しさの来源・ソースは、善くて巧みな方法によって、呼吸を体験することによって生じたものである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(1-19につづく)

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>