南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「顕正法眼」(翻訳文)~5-35

念の特徴は、不動揺(=動揺しない事)で、言い換えれば、目標(たとえば、安般禅相または究極法)に対して、それを見失わない、という事でもある。

論師の解説では、念とは、心を目標に安定させることであり、それはちょうど、石が水の中に沈んでいくようなもので、ひょうたんが水に浮いて漂うのとは反対である、と言う。

念は、心をして、四念処や、その他の、証悟へと導く善法から離れ、漂わないようにする。

念のもう一つの特徴は、「獲得」または「手にする」(upagaṇhanā)で、言い換えれば、有用でかつ有益な法を、獲得することを意味する。

(+念が)生起する時、念は、その法が有益であるか、無益であるかを子細に検査する:

「これらは有益なる法である、あれらは無益な法である、これらの方は有用で、あれらの方は役に立たない」と。

その後に、(+念は)無益な法を取り除き、有益な法を手にする。

念の作用は、目標(たとえば、安般禅相)に対して、迷わない、または忘れない、である。

その現起(=現象)は、守護または心が目標(たとえば、安般禅相)に向かい、対応している状態である。

その近因(=直接原因)は、強くて力のある想(thirasaññā)、または四念処である。

それは、安定的に、目標の上に建立された門柱であると見做されるか、または、根門を守り、煩悩(心の傷つき)を退ける守衛であると、見做すべきである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-36につづく)

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>