【定力を深める六つの素因】
あなたが、上述(No1-13)の、二つの原則を善用して、定の修習をする時、あなたの定力は、修行した時間に伴って、増強される。
この段階で、もし、あなたが良い師を見つけることができたならば、それはとても良い事である。というのも、多くの人々は、通常、ここの段階で壁にぶつかるからである。
勿論、彼らは、理解できた所の、基本的原則を運用して、定の修習を行ってはいるが、しかし、彼らは、己の修行における、長所と欠点を確実に知ることができない。
もし、良い師を見つけることができたならば、彼は、あなたの心境を点検し、あなたの修行における境界の、強みと弱点を指摘することができる。これは非常に良い事である。
彼は、あなたに欠けている素因(=心の性質)を指摘する。たとえば、心軽快性など;
または、あなたの心が、焦っていて、忍耐力に欠けている事などを、指摘するかも知れない。
定力を深めるために、修行者は以下の述べる、六つの素因(心所)を、重視しなければならない。
この六つの素因は、良き師が、学生を検査する時、または、修行者自身が、己の境界を点検する時の、根拠・基準とすることができる。
1、身軽安・心軽安
(kya-passaddhi、citta-passaddhi)
(この六つの素養の内「身」とは「心所」ーー心に随伴して生起し、心が目標を認知するのを助ける作用を持つ付属的な心理的要素、を指す。たとえば;感受、記憶、意志等である。)
身軽安:心所の静けさ
心軽安:心の静けさ
軽安の障礙:あせる事
障礙が生じる原因:あなたは、強すぎる目的に向かおうとする傾向がある(成功したいと言う意図が強すぎる。)
矯正の方法:手放す事。特に、よい境界を得たいと思う強烈な欲求を手放す事。あなたは、ただ、心に求めるものがない状態のまま、座禅・瞑想し、あなたの心を落ち着いて自若しているようにする。このようにすれば、身軽安と心軽安は生じることができる。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(2-15につづく)
Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。
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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>