最初は、高くかつ深く修行している修行者について。
彼は長期的な訓練を経て、身体と心理の二つの方面において、一日中、二日、乃至七日という長い時間、定に住する事ができるようになっている。
そして、彼は、定から出たいと思ったならば、即刻、定から出ることができる。
もう一つは、定を獲得したばかりの人。
彼は、心身の両方において(+条件を満たしていないために)、長時間入定することはできない。
そして、彼が定から出たいと思う時、彼の心は、定から出ることを拒絶する。
もし、彼の指導者が、これはよい現象ではないのだという事を警告していないならば、彼は、この種の現象に迷惑・耽溺し、己の修行について、非常に進展しているのだと、誤解する可能性がある。
このように、心身を一定時間疲労させた後、彼らの心は、定を好きになるが、長時間定の中にいることの訓練を経ていないがために、却って、長時間邪定の中に住むようになり、その結果、いくつかの重大な問題を引き起こす。
すなわち、頭部の締め付け、身体の震えと失眠である。
上述の、定から出られないという問題に関して、その解決の道は、毎回の正行の後、結行の訓練に心を注ぐことである。
「予防は、治療に勝る」
座禅・瞑想を終了させたいと思う時、徐々に心を定の状態から、引き出してくる事(すなわち、結行)を練習しておくことを、修行の最初から実践する。
そうすれば、以後、定力がますます強く、ますます深くなる時、定から出たいと思う時に、心を自在に、定の心境から離れさせることができるようになり、その結果、出定自在の修行が完成するのである。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(2-22につづく)
Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。
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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>