南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)2-21

最初は、高くかつ深く修行している修行者について。

彼は長期的な訓練を経て、身体と心理の二つの方面において、一日中、二日、乃至七日という長い時間、定に住する事ができるようになっている。

そして、彼は、定から出たいと思ったならば、即刻、定から出ることができる。

もう一つは、定を獲得したばかりの人。

彼は、心身の両方において(+条件を満たしていないために)、長時間入定することはできない。

そして、彼が定から出たいと思う時、彼の心は、定から出ることを拒絶する。

もし、彼の指導者が、これはよい現象ではないのだという事を警告していないならば、彼は、この種の現象に迷惑・耽溺し、己の修行について、非常に進展しているのだと、誤解する可能性がある。

このように、心身を一定時間疲労させた後、彼らの心は、定を好きになるが、長時間定の中にいることの訓練を経ていないがために、却って、長時間邪定の中に住むようになり、その結果、いくつかの重大な問題を引き起こす。

すなわち、頭部の締め付け、身体の震えと失眠である。

上述の、定から出られないという問題に関して、その解決の道は、毎回の正行の後、結行の訓練に心を注ぐことである。

「予防は、治療に勝る」

座禅・瞑想を終了させたいと思う時、徐々に心を定の状態から、引き出してくる事(すなわち、結行)を練習しておくことを、修行の最初から実践する。

そうすれば、以後、定力がますます強く、ますます深くなる時、定から出たいと思う時に、心を自在に、定の心境から離れさせることができるようになり、その結果、出定自在の修行が完成するのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(2-22につづく)

Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。 

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>