Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵のひとやすみ~不動心と正念正知(走り書き)

今朝、IT の記事を読んでいましたら、マインドフルネス、すなわち仏教では、<考えない事>をお勧めしている、というお話が、載っていました。

確かに、私たち現代人は、考えすぎてしまって、かえって身動きが取れなくなる場合が多々あり、脳内のおしゃべり、考えすぎを止める事は、とても大切なことだと、私も思います。

けれども、注意して頂きたいのは、考えなければ、なんでもOKかというと、そうでもないから、人生は難しいのでは、ないのでしょうか?

少し話が大きくなりますが、先の大戦で、日本の仏教界はあげて戦争に賛成し、それぞれの宗派が従軍僧侶を、戦場に派遣しました。

僧侶たちは「戦争で死んでも、来世があるから頑張れ!」と兵隊さんを励ましたそうですが・・・これは衆生の利益を考えた結果でしょうか、考えなかった結果なのでしょうか?(禅宗では、この時の戦争賛美を反省して、謝罪文を出しました。)

今身近の問題としてなら、<原発>があるでしょうか?

あなたは原子力の熱でお湯を沸かし、その蒸気でタービンを回して発電された電気を使いたいですか?

使いたくないですか?

それとも思考停止しますか?

我々は不動心を育成する必要はありますが、正念正知(何が正しくて何が正しくないかを、鋭い智慧で分別する事)も、育てる必要があります。

そうしなければ宗教バカになって、また再び、宗教集団による悲劇、または個人的な悲劇が繰り返されるでしょう。

(本日は忙しく、上記の文章を推敲をしないままUPしております。万一、失礼な表現がありましたら、本意ではありませんので、走り書きに免じて、お許し下さい)。

追加:近年、テーラワーダ仏教が科学的であることからヨーロッパ、アメリカで受け入れられた時、それはキリスト教徒でも受容できるようにと、心理学的な方向を重点的に有するようになりました。しかし、仏教は単純な心理学ではなく、八聖道という倫理性と人間性とが深く結びついている実践方法です。八聖道からマインドフルネスだけ取り出す手法は問題が多いと思います。