南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)2-44

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

そして、更に重要な事は、良い教師なら、あなたが最終的に、真正なる定を獲得することができるように、あなたに対して、正しい心構えでもって定の要因(定の修習)を育成するべきであることを、教えるであろう。

上述の経文は、我々に対して、完全に放下する精神でもって、定の要因(定の修習)を育成するよう、促している。

(一)我々は、放下の精神でもって、愉快、喜悦、軽安、快楽というこれらの要因を育成するべきであり、我々は決して、定への強烈な渇望を伴う心境でもって、定の修習を実践してはならない。

(二)我々は、仏陀が経文の中で、何度も強調して述べている二つの言葉に対して、確信を持たねばならない:

1、「このような願いを生起させる必要は無い」;

2、「当然・自然にできる」。

(三)これは非常に美しい定の修習における心構えであり、正確な要因によって修行・実践できるだけでなく、リラックスした、無理やり求める気持ちの無い心境において、これらの要因を育成することができる。

これら(+の心的状況)は、愉快、喜悦、軽安、快楽というこれらの要因を、自然に強化・成長させることができる。

ある日、これらの要因が熟した時、何等の努力を必要としない状況の下で、それは生じるであろう。

(四)「(一つの)の法の流れから(もう一つ別の)法へ」の意味・・・我々は、定における正確な要素を育成する必要がある、という事である。

このようにすることによって、あなたは初めて、定の近くへと進むことができる。

我々は、更に多くの「懊悩なく、愉快で、喜悦に満ち、軽安で、快楽(=楽しい)」を育成することのできる方法を発見・発掘し、実践しなければならない。

(五)「(一つの)法の円満(+成就)から、(もう一つの別の)法の円満(+成就)」の意味は、放下がすなわち、定の要素(定の修習)を育成するにおいて、最も重要な原則である、ということである。

◆結論

(一)我々は、更に多くの、良くて巧みな方法を育成することを通して、愉快、喜悦、軽安、快楽を啓発し、定を得る様に、実践しなければならない。

(二)更に重要な事は、我々は、放下の精神で以て、定の要素(定の修習)を育成しなければならない。

(三)定の要素(定の修習)を育成するにおいて、我々は、仏陀が強調した二つの点に関して、確信を有するべきである:

1、「このような願いを生起させる必要は無い」--結果を期待しない。

2、「当然・自然にできる」ーー要因の成熟に伴って結果は自然とあなたの元に届けられる。

(3-1につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>