南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)4-12

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

簡潔に言えば、外見だけで、己自身の性行を判断してはならない。更に良い方法は、一人の他心通を擁する教師を探し、見つける事である。

もし、他心通を擁する教師を見つける事ができないのならば、あなたを善くて巧みな方法で指導できる教師も、また、非常に良い。

このようなことから、以下の条件を具備する教師は、非常に貴重である。

(一)他心通の獲得

ただ仏陀だけが、他心通に関して、全面的に把握することができた。シャーリプトラ尊者は、他心通で多くの人を助けたけれども、しかし、ある種の人々に関しては、彼でさえも、全面的に掌握することはできなかった。

こうしたことから、我々は仏陀の般涅槃の後に、他心通に関して、全面的に把握している教師を見つける事を、期待する事はできない。

言い換えれば、我々は仏陀の般涅槃の後、完全に、あなたの、あらゆる因と縁を知る教師を見つけ出す事はできない、という事である。

もし、あなたが、部分的に他心通を擁する教師を見つける事ができたならば、あなたは幸運であると、知るべきである。

実際、あなた自身でさえも、あなた自身を、完全に理解できないのである。

教師は、あなたの性格を判断する際に、たまには小さな間違いを犯すかもしれないが、あなたは千々万々、そのことを理由に、彼への信頼を失ってはならない。

もし、あなたが部分的に他心通を擁する教師を見つけることが出来て、かつ、教師もあなたを指導したいと考えるならば、あなたは教師に対して、信心(=信頼)を持つべきである。

このようにして後、彼の指導の下で、あなたは涅槃を証悟するまで、修行する事ができるのである。(4-13につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>