南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

是誰庵のひとやすみ~マインド・フルネス

日本語で<愚痴>と書くと、口で埒もないことを言う、という意味になります。

中国語で<愚痴>と書くと、愚かで無知なさま、という意味になります。

中国語の仏教書を日本語に翻訳する時、この<愚痴>はどっちの意味かな?とちょっと考えてから、訳文を入力します。ほとんどの場合、後者の意味で使われることが多いですが(元が中国語なのですから、当たり前と言えば当たり前ですが、文脈によっては意訳する必要があり、そんな時に、前者を選ぶ場合もあります)。

さて、私が最近、思うこと。

私ももうすぐ、後一年半ほどで70歳、古希になります。

私の周囲、知人・友人も、おじいさん、おばあさんが多いです。

若い人は働きに出ていますから、Y 盆地の温泉施設で出会うのは、おじいさん、おばあさんばかり。これは仕方ないです。

私はあまり、おじいさんとは話をしません。共通の話題がないですから。

で、おばあさん。

これが結構、<愚痴>が多い。日本語の<愚痴>です。

嘆いても解決しない事を、しょっちゅう口にする。

周りの人たちも嫌な感じになりますが、言っているご本人が一番不愉快ではないかな、と思うのですが・・・ご本人は気が付かない。

日本の仏教では、起心動念への気づき、正念正知の重要性を、あまり言わないようです。

もし、若い頃から仏教を学び、正念正知を心がけていたら、年をとってから愚痴をいう人間にはならずに済んだだろうに、と思うと、ちょっと残念に思います。

起心動念、正念正知というと、宗教的で抹香臭くて、嫌だなと思う人もいるかもしれませんが、これを<マインド・フルネス>と言えば、神道の方でも、クリスチャンの方でも、無神論者の方でも、お分かり頂けるのではないかな、と思います。

気を付けて。

己の身・口・意に気を付けて。

そうすれば、愁いや悲しみは、己のものではないことが分かります。

どうぞご老人の方々、身・口・意に気を付けて、マインド・フルネスで、生き難い老後を乗り切って頂きたい、と切に願うものです。

自戒を込めて。