<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
五蓋の対処法
以下において、先に五蓋の対処の方法に関する共通の部分を述べ、その後に、個別の対処法を検討する。
一、【共通の対処法】
ーー五蓋の生起を覚知する
五蓋のうちのどれか一つでも生起する時は、先に共通する対応方法を活用する。それはすなわち、自在にそれの存在を知覚し、それが自然になくなるようにする。
もし、このようにしても無効であるならば、個別の対処法を用いて、それを滅し除く。
五蓋またはその他の種類の煩悩であろうとも、それに対処する為の、その共通の方法は、それが生起したとたん、なるべく早く、気が付くのがよい、ということである。
ひとたび、あなたが自在に、それの存在を覚知したならば、多くの煩悩は、自然に静かになり、滅し去る。
この方法は簡単であり、かつ有効である。
この方法は、即座に、煩悩の継続的な生起を中断させることができるだけでなく、長く修習していると、心の覚醒性をも高め、いまだ生起していない煩悩が生起しないよう、予防することができる。
「私が不放逸で、熱心で、決意を持って住する時、私の心には貪念が生じた。私はこのように覚知した:『貪念はすでに私の心の中に生起した。これは私をして、苦痛に至らしめ、他人の苦痛を引き起こし、自他双方の苦痛を引き起こす;それは智慧の生起を阻害し、困難を呼び、人をして遠く涅槃から離れさせる。』
「私が『これは私をして苦痛に至らしめる』と思惟した時、それは消え去った。私が『これは他人の苦痛を引き起こす』と思惟した時、それは消え去った。私が『これは自他双方の苦痛を引き起こす』と思惟した時、それは消え去った。私が『これは智慧の生起を阻害し、困難を呼び、人をして遠く涅槃から離れさせる』と思惟した時、それは消え去った。貪念が私の心の中に生起した時、私はそれを捨棄し、それを取り除き、それを滅し去った。」
≪中部・第19双尋経≫
(5-12につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点原文ママ。★誤字脱字を発見された方は
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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>