Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

☆「掌中の葉」(翻訳文)5-15

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(二)[瞋恚蓋の対処法]

1、慈心禅

心内に憤怒が生起して止みがたい時、まず、憤怒に至った原因を探すのをやめて、憤怒の心に注意を注ぎ、かつ、憤怒が消滅するまで、不断に心の内で以下のように黙念する:

「憤怒、憤怒・・・」。

憤怒が再度、生起したならば、再び同様の方法で、対応する。

その後に、念(=想い)を転じて、一人の、己自身が敬愛している人を思い浮かべ、かつ、彼に対して慈愛を散布する:

「願わくば、この人が楽しくありますように、楽しくありますように・・・」。

一心にただ、その人の、楽しいという感情を感受する。その後に、一切の衆生に、慈愛を散布する:

「願わくば一切の衆生が楽しくありますように、楽しくありますように・・・」

心内において、一切の衆生の、楽しいという感情を感受する。

次に、再び、己自身に近い人を思い起こし、同様の方法で、彼に対して慈愛を散布する。

その後に、再び一切の衆生に慈愛を散布する・・・。

このように、交互に、一人の人間と、一切の衆生に慈愛を散布すれば、瞋恚と怒りは、徐々に消滅する。

慈愛は一種の柔和なエネルギーであり、それは我々の修行を、更に順調に進むようにさせてくれる(+効果がある)。

常々、慈愛を散布する事は、瞋恚と怒りの蓋が生起する事を避けることができるだけでなく、定力の向上にも役に立つ。

(5-16につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>