南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)5-18

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(四)[掉挙と後悔蓋の対処法]

ーー(掉挙:心が動揺して不安であり、ある時には低調、ある時にはハイテンションになる事。)

1、仏法に対して深く認識する

ここで強調するのは、博学の重要性ではなく、己自身の切実な問題に対して、深く理解することである。

たとえば:呼吸念(=安般念)を修行している者は、相関する修行方法とその過程に関して、深い認識が必要であるが、他の、すべての仏法に対して、精通する必要があるとは限らないし、《清浄道論》を全編、読破する必要もない。

博学であっても、深く通暁していない者は、往々にして、学んでも、活用することができない。

もし、己が修行している法門に関しての理解が深くない時、何か(+変わった)状況に出会うと、掉挙になり易く、あれこれ迷って、何事も実践することができない。

(+彼は)掌握するべき事柄について、どのように掌握してよいのかわからず、放下(=手放す)べき事柄について、どのように放下してよいのかわからない。心情は揺れて不安で、事後にまた不断に後悔する。

これもまた多くの修行者がよく犯す病である。

もし、己の修行する法門に関して、深く理解することができたならば、(+変わった)状況に遭うても、どのように処理するのかを知って、慌てたり、乱れたりすることがない。

放下すべきものは、徹底的に放下し、掌握しなければならないものは、適時、掌握することができる。故に心は、終始平安で和気に満ちて、自然で自在で、事後後悔する問題もない。

このようであれば、掉挙と後悔蓋の生起を免れることができる。

2、質問する

我々は、己自身に対して、すべての事柄に精通してから後、修行を始めると期待するのは、不可能である。

故に、我々は、非常に多くの事柄を、智明の者に教えを請わねばならない。

智明の者に、疑問について質問することは、掉挙と後悔蓋を、より早く滅し除くための、よい方法である。

3、戒律を理解する

在家の人は、己自身が保持する、五戒または八戒の意義と、それを守る基準を十分に理解し、またそれに違反した時、如何にして、再度戒を受けるのかということをよく理解し、その後に如法に行持し、修行の場において、掉挙と後悔蓋が生起しないようにしなければならない。

出家者は、己自身が持する出家戒の軽い違反、厳重な違反など、また懺悔の方式なども十分に理解して、その後に如法に行持し、掉挙と後悔蓋が生起するのを防止する。

(5-19につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>