Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

☆「掌中の葉」(翻訳文)5-20

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(五)[懐疑蓋の対処法]

1、仏法に精通する

仏法を研究する事によって、修行者は、疑惑を突破する事ができ、また、信心(=確信)を強め、智慧を高める事ができる。

そうすれば、懐疑蓋は、跡形もなく、消えてなくなる。

2、仏、法、僧に関する問題を問う

仏法を研究する以外に、智者に対して、三宝の特徴的な問題の教えを乞い、己自身の視野を広げ、懐疑蓋が心の中に、忍び込まないようにする。

3、徹底的に戒律を理解する

戒律を徹底的に理解する事を通して、持戒に関する疑問を、滅し除くことができる。

それは、間接的に、三宝への信心(=確信)を高める事ができ、その信心によって、三宝への懐疑蓋を、滅し除くことができる。

4、仏、法、僧の真実性を確信する

常に、三宝の真実性を思惟、観察、体験する事を通して、三宝の崇高な特質と、それが世に希であり、得難い事柄である事について、敬慕の心と、真実の信心(=確信)を生起させる。このように実践できれば、懐疑蓋を滅し除くことができる。

5、善知識に親しむ

常々、善知識に親しめば、我々をして、信心(=確信)の力とその尊さを感受せしめる事ができ、その事から、善知識の徳行に倣い、己自身の信心(=確信)を高める事ができる。

懐疑蓋が生起して、それを解決する事ができない時は特になおさら、善知識と密接な連携をとって、懐疑蓋を滅し、除くようにする。

6、懐疑蓋を滅し除く助けになる言論

仏、法、僧という三宝の特徴と功徳を話し合い、常々、古から現代までの、修行者の非凡な成就を論談する。このようにすれば、己自身の信心(=確信)を強固にし、懐疑蓋を滅し、除くことができる。

7、仏随念、法随念、僧随念を修行する

禅の修習において、三宝への疑惑が生じて、心が動揺するならば、仏、法、僧随念を修習して、三宝の崇高な特質を、憶念するべきである。

心が三宝の特質に融入したならば、疑心は自然に消失する。

もし、己自身の能力に対して、疑心が生じたならば、三宝への信心(=確信)を借りて、己自身を肯定するのがよい。

たとえば:「このように深く三宝を信心(=確信)する者は、必ずや、遠い昔の生死の時から、善根を深く具備しているのであるから、要領を掌握しさえすれば、何時の日にか、修行は必ず成功するに違いない。」と。

◆結論:

懐疑蓋の対処法:

1、仏法に精通する。

2、仏、法、僧に関する問題を質問をする。

3、徹底的に戒律を理解する。

4、仏、法、僧の真実性について、確信する。

5、善知識に親しむ。

6、懐疑蓋を滅し除くのに助けになる適切な論談をする。

7、仏随念、法随念、僧随念の修行をする。

(5-21につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>