「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)2-2
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
まえがき
本書の内容は、この人生で、菩提道において、最も高い果位を証得した一人の女性ーーメーチ・ケーウーーの修行とその生涯について、書かれたものである。
メーチ・ケーウは子供の時から修道の生活を指向し、少女の頃から、非常によい因と縁に恵まれ、何人かの、当代最も著名な禅師に出会うことができた。
彼女は、彼らの指導を尊び、従い、赤子の心のような真心と誠意をもって、修行した。
根器が鋭利であった為、彼女は非常に速くサマーディの道に精通し、禅の修行における年若い奇才となった。
彼女の心は、深い定に何時間も、軽々と入ることが出来、多くの不思議で美しく妙なる境地を観察することができた。
そうではあっても、家人の干渉によって、メーチ・ケーウは、最初は、出家して修道する希望を叶えることができなかった。
彼女はただ忍耐して、チャンスが訪れるのを待ち続けるしかなかった。
20年を数える、決して円満ではなかった結婚生活を経て、彼女は出家する因と縁が熟し、剃髪得度して、メーチとなった。
出家の後、彼女は長年、多くの著名な禅師と共に生活し、修行した。
これらの禅師は、彼女の入神の禅修行の様子に讃嘆した。特に、彼女の神通に対する熟練した様は、禅修行の指導者であってさえも、彼女と同じレベルである人は、何人もいなかった。
しかしながら、更に得難いのは、彼女は、この無常なる世間への執着を断ちきる事に成功し、最終的には、徹底的に解脱した所の、無為の境地を証得し得たことである。
現代社会において、人に知られた阿羅漢尼の一人として、彼女は生き生きとした生身の模範であり、一個の衆生ーー男女を問わず、種族、階級の別なくーーみな、仏教の最も究極の果位を証悟することができることを証明した。
(2-3につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点原文ママ。★誤字脱字を発見された方は
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>