Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-28

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

達白は、家事と農作業自体を、修行だと思いなし、そのように、結婚生活を過ごした。

長い労働時間が、彼女を疲労困憊させたが、しかし、彼女は苦しみを、専注、すなわち、精神の統一に昇華するよう、努力した。

彼女は己自身に、混沌として、不透明な生活の中で、精神を統一し、己の心を統制し、憤怒と怨恨の中で、専注を保持しようとした。

彼女は、毎回夫を恨むたびに、この感情を、慈心と憐憫の心に、転化した。

彼女は毎回、己が他人を嫉妬していると感じた時、出離の生活を想い、アチャン・マンが彼女にした約束を思い出すようにした:

いつかある日、彼女は白い三衣を着て、出家する。

達白は、直観によって、修行に沈潜する意義を知っていたが、彼女が今できる事はといえば、仏法を日常生活の中に、生かすことだけであった。

責任感から、彼女はすべての雑務を引き受けた。彼女は長い間、不満を意識し、生活の圧力を感じた:

結婚の枷は、彼女をしっかりとからめ捕り、彼女が見るもの、聞くこと、感じること、皆、苦いものでないものは、なかった。

17歳で結婚したが、あっという間に、彼女は27歳になった。毎年、同じような憂鬱がやってきて、同じように、苦悩を受け入れた。

今では、彼女はどのような人に出会っても、どのような事件に遭遇しても、これを柳に風と受け流し、よく観察して自省し、身辺の些末な出来事を、心の糧とするようにと、志した。

達白の心は、剃髪して尼僧になり、淡泊な出家生活を送る事を模索するようになり、時間がたつにつれて、彼女の気持ちは、少しずつではあるが、益々強くなり、出家する以外に、何の希望も持たなかった。

ある日の夜、彼女は布麻の側に来て跪き、自分のこれまでの思い、また、世俗の責任を放棄して、出家したいという、発心に関する希望を述べた。

布麻は、なんら妥協の余地なく、絶対に反対だと言い、同時に、このことは、二度と口にしないように、と言った。

達白は、俯いて、彼の決定に従った。

生活は、これまで通りに、続けられた。

(3-29につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>