Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-1

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

第二章

出家ーーメーチの生きざま

基本訓練就像用 有 Y叉的樹枝 掌着香蕉樹、

(基本的訓練とは、ちょうど Y字の木の枝を使って、バナナの木を支え)

譲沈重的果串発育長大、

(重い果実を大きく育てて)

避免香蕉還未熟就掉在地上。

(バナナが未熟な内に地面に落ちないようにするのと同じである)

万縁の放棄

メー・ケーウの出家の日は、仏歴阿沙陀月(太陽暦7月)の満月の日と決まった。

この日、万里晴れ渡り、メー・ケーウは農々寺の僧や尼僧たちの前に座り、全くの後悔なく、これまでの半生における一切を、手放した。

過去の己を捨て、古の、荘厳で簡素な儀式に参加し、正式に落飾して尼僧となり、メーチになることを誓った。

この年、メー・ケーウは 36歳であった。

メー・ケーウは、朝早くから寺院に行って、剃髪の準備をした。

彼女は心臓がドキドキしたが、それでも微笑んで常住の尼僧に挨拶し、その後、傍らに座って、一緒に、簡単な朝食をとった。

食事が済むと、彼女が長年追い求めてきた、一切を捨てて、梵行の生活を送るという夢が、実現する。

彼女は古い身分の象徴を脱ぎ捨て、その後しばらくして、蝶が舞い乱れる井戸の脇にしゃがんで、不安げにメーチ・タンに、己の頭を差し出した。

この上席のメーチは、手に古い鋏を持って、彼女の頭の上でチョキチョキと動かして、烏の濡れ羽色をした長い髪を、バサバサと切り取った。

彼女の頭はあっという間に、あられもない、虎刈りになった。

メー・ケーウは静かに、地面に落ちた髪の毛を見、色身の虚妄の本質を思った:

髪の毛は私ではない。

それは私に所有されない。

身体のその他の部分と同じように、頭髪は自然の一部分であり、物質世界の一部分であり、頭髪は世間に属し、自分に属さない。

それらは、”我是誰(私は誰か?)”という問いとは、関係がない。

(4-2につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>