南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-14

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

最終的な協議を終えると、メーチ・ケーウは、こっそり娘に会いに行った。

彼女は子細に、また注意深く、最近起きた事をちびっこケーウに話して聞かせた。

今回の事件は、彼女たちの運命を、変えた。

彼女はちびっこケーウが、よく理解し、納得してくれるだろうかと、祈るような気持であった。

母親の出家の決意を聞いて、ちびっこケーウは、彼女と一緒に寺院に住みたい、と言った。

メーチ・ケーウは、申し訳なさを感じながら、ちびっこケーウを眺め、出家の生活がどれほど清貧であるか、また、己の財産をすべて夫に渡してしまった今、自分自身は何一つ持たず、その為、彼女を養えない事を、心を痛めながら、説明した。

例えそうでなくても、子育てするには、寺院は、ふさわしい場所ではなかった。

メーチ・ケーウの態度は優しかったが、決意はすでに決まっており、娘に他の選択の余地はない事、今となっては、父親だけが、娘に生活の必需品を与えることができる事、故に、父親と生活する外ない事を説明した。

メーチ・ケーウは同時に、彼女が大きくなったら、父親の財産を相続できるし、もし、その時になっても母親と暮らしたいのならば、寺院に来てもよい、と約束した。

もし、本当に実現したなら、メーチ・ケーウは、心の扉を大きく開いて彼女を歓迎し、彼女と共にいて、自分が老いて死ぬまで、修行を指導してあげる、と言った。

ついにちびっこケーウは、イヤイヤながら母親の説得を受け入れ、父親の所に戻った。

(4-15につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>