「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-14
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
最終的な協議を終えると、メーチ・ケーウは、こっそり娘に会いに行った。
彼女は子細に、また注意深く、最近起きた事をちびっこケーウに話して聞かせた。
今回の事件は、彼女たちの運命を、変えた。
彼女はちびっこケーウが、よく理解し、納得してくれるだろうかと、祈るような気持であった。
母親の出家の決意を聞いて、ちびっこケーウは、彼女と一緒に寺院に住みたい、と言った。
メーチ・ケーウは、申し訳なさを感じながら、ちびっこケーウを眺め、出家の生活がどれほど清貧であるか、また、己の財産をすべて夫に渡してしまった今、自分自身は何一つ持たず、その為、彼女を養えない事を、心を痛めながら、説明した。
例えそうでなくても、子育てするには、寺院は、ふさわしい場所ではなかった。
メーチ・ケーウの態度は優しかったが、決意はすでに決まっており、娘に他の選択の余地はない事、今となっては、父親だけが、娘に生活の必需品を与えることができる事、故に、父親と生活する外ない事を説明した。
メーチ・ケーウは同時に、彼女が大きくなったら、父親の財産を相続できるし、もし、その時になっても母親と暮らしたいのならば、寺院に来てもよい、と約束した。
もし、本当に実現したなら、メーチ・ケーウは、心の扉を大きく開いて彼女を歓迎し、彼女と共にいて、自分が老いて死ぬまで、修行を指導してあげる、と言った。
ついにちびっこケーウは、イヤイヤながら母親の説得を受け入れ、父親の所に戻った。
(4-15につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。
<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>