「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-15
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
メーチ・ケーウは、心配事を抱えながら、寺院に戻った。
彼女の頭の中は、親族との関係を断ち、愛を辞し、友情を捨てる事の是非について、混乱した。
何度も考え、考えしている内、思いはいつも、シッダッタ王子の、出家の因縁についての物語に、戻って行った。
王子は、愛する妻と子を置いて、王位と、世間の種々の煩わしさを振り捨て、求道の道を歩んだ。彼は、父親としての責務を果たさなかったが、しかし、彼がこのような選択をしたのは、神聖な目的の為であり、究極の真理の証悟の為であり、徹底的に、生死輪廻から抜け出す為であった。
円満に覚醒した後、仏陀の成就は、世間における一切の犠牲と行いを超越した。
彼は、己自身の修行を成功させる事によって、数えきれない程の衆生を教え導き、彼と同じ様に、煩悩から解脱できるように、したのである。
メーチ・ケーウはここまで考えて、自ら納得し、仏道に励む道心を激発し、決して後へは引かない心意気でもって、仏陀の足跡をたどり、梵行生活の最高峰を目指す事を、決意した。
(4-16につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。
<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>