「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-29
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
メーチ・ケーウは、この猪が言い出した願い事に、非常に驚いた。
長年、彼女は動物の亡霊が、己の肉をもって供養とし、それを功徳となす、という事に出会ったことがなかった。
彼女は、心底この猪の悲惨な運命を憐憫し、慈心を回向してあげると同時に、彼から申し出のあった、布施の心意気を、受け取った。
彼女は、彼の布施の功徳を讃嘆し、彼の自尊心を激発した。
その他の、悪道にいる衆生に開示するのと同じように、メーチ・ケーウはこの猪に対して、五戒は、人身を得るための根本である事を強調し、五戒でもって、身口意の三業の規範とするようにと、諭した。
その後に、メーチ・ケーウは、修行の功徳を彼に回向する事を祈願し、彼が人道に往生するようにと、願った。
猪は、満足した様子で、彼女と約束し、彼女の祝福による励ましを受けて、恭しく別れを告げて、去って行った。
(4-30につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>