南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-47

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

この深遠なる覚醒が生起した時、彼女の心は、突然、徹底的な静止の状態の落ち込んだ。

彼女の心内の奥深い所で、一つの微弱な光が光を放ち、躍動し、益々光り輝いた。

その光は不断に拡大し、最後には、心全体をその中に覆いつくしたが、その為に心は光り輝き、清らかで明晰で、軽くて柔軟になった。

彼女は明け方出定し、その後、朝にするべき仕事に取り掛かったが、一挙手一動足に、微細な協調と融合の感覚が伴い、以前にみられた不自由な感覚とためらい勝ちな心は、消滅した。

彼女は喜びの心で、朝食を僧侶たちに供養したが、アチャン・コンマは、彼女の明らかな変化に気が付き、皆の前で声をかけた:

”メーチ・ケーウ、君は正しい道の上に立った。これからも頑張るように!”

禅の修行において、正しい道に戻った後、メーチ・ケーウは、アチャン・コンマのお寺に、何か月も滞在して、この殊勝な因縁によって親しくなった善知識から修行を学び、己の禅定と智慧を、強化した。

今、彼女はなぜ、アチャン・カンパンの禅定が、色身の執着から来る所の、粗野で、卑俗な本能の欲望から、自由になれなかったのかを知った。

彼女は理解した。

淫欲の汚染が、如何に強烈なものであるのかという事と、それをどのように、昇華させればよいのか、という事を。

彼女は、己自身の修行が、すでに安定して確立された事を確信し、卉晒村の道場に戻って、道友を支える時が来た、と思った。

メーチ・ケーウは、彼女の修行仲間に、正しい道に導いてくれる、頼れる導師がいない事を心配したが、今、己自身がこの責任を負う事ができる、と確信したのである。

(4-48につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>