南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-50

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

前の四つの戒ーー殺盗淫妄の禁止ーーは、仏教における出家生活の根本的道徳を言い、その他の戒は、修行における原則であり、それは、心身の清浄の助縁となり、四つの基本的戒を展開したものである。

もし、メーチが、四つの基本的戒の精神に基づいて戒清浄を保つならば、その他の戒もまた、容易に守ることができる。

また、もし、厳重な罪行に属する、この四つの戒に違反するという事は、すなわち:

解脱を追求しながら、その他の生命を傷つけるのは、瞋恚と無知に誤って導かれたものである;

許可を得ていないのに盗る行為は、共に梵行を修行している、道友の相互の信頼関係を破壊するもので、また、誠心誠意、出家者に供養をしてくれる信徒たちを、裏切るものである;

不淫の戒を犯す事は、仏教の出家の定義である所の、世俗の家庭生活を出離するーーを破るものである。また、これ以外に、淫行の禁止は、己のエネルギーを、心霊を向上・進歩に向かわせる、支えとなる;

妄語または綺語は、出家衆の内部、及び僧と信者間の、相互的信頼関係を、破壊する;

そして、最も重要なのは、破戒は、己自身の心を、傷つける事である。

真正の戒行の本質は、精緻で微妙で複雑であるーーそれは非常に複雑で、ただ単に、戒の項目と規則だけを守る事で、到達できるものではない。

底を割って言えば、戒行は、外部の規則を守る事によって境界線を引くような事柄ではなく、それは、心内の純粋な動機によって展開され、顕現されるものである。

仏法修行の主要な目的は、心の中の不善な動機を滅し去ることで、故に、貪・瞋・痴を根こそぎ取り除く修行に成功した時にのみ、真正の善を実践することができる。

戒の修行は、重要で不可欠な<一杯>であるが、しかし、戒を定に導き向かわせない限り、ただ戒を守るだけでは、目標に到達する事は、できない。

誠心誠意、善なる動機を育成すれば、心は軽々と、静けさと清らかさ、明晰さを得ることができる。

故に、浄戒を厳重に受け保つ事によって初めて、メーチの心に純潔、清らかで率直な喜悦を、齎す事ができるのである。

(4-51につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>