南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-54

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

山道を辿る高山は、人がほとんど住んでおらず、供養を受けることが難しいので、彼女たちは食糧を携帯したが、高山の区域を過ぎる頃には、食物は食べ尽くし、その後は、当地の村民の布施に頼った。

これらの小さな農村は、それぞれの地方にバラバラに存在していて、お互いが遠く離れていたので、一つの村から一つの村へ行くのに、山道をほぼ一日歩かねばならなかった。

贅沢にならないように、重くなり過ぎないようにと考えて、彼女たちは少しばかりの食糧を持って出掛けた:

生米は竹の容器に、調味料の辛い魚醤は缶に入れて蜜蝋で封をした。その他には、干し肉と干し魚を持ち、道々、山菜を摘んだ。

メーチ・ケーウが引率して、一行は、徒歩で卉晒道場を出発した。

食べ物以外に、皆はリックになにがしかの必需品を背負い、遊行用の傘も持った。これは夜寝る時に、自分を守るために使う。

彼女たちは、山の鋭い石で、足を怪我しないように、手作りの草履を履き、頭には綿の布を乗せて、帽子の代わりにした。

最初の日、夜遅く、彼女たちは磐山の麓に着いた。

この森林には、熊、虎と蛇が多く出没したが、いくつかの隔絶された開墾地に、人の住んだ跡があるだけで、天候は悪劣で、ころころ変わった。

ただ、山の風景は非常に美しく、緑は濃く、竹と紫檀が生えて、地上は、青草、羊歯と野の花で埋まり、どこもかしこも灌木と大木があった。

遠くから見ると、山道は木々の頂部に密集して生えた木の葉と、巻きついた藤に覆われ、近くで見るのは、すべて雑草と樹林であった。

山の中腹には、凸凹した大きな黒岩石が地面から露出し、それが遠くまで伸びていて、山道は岩石に沿ってくねくねと曲り、時には行き止まりになり、時には大きな亀裂が口を開けていて、経験のない者がここに来れば、必ず道に迷った。

(4-55につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>