南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-55

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

一行は疲れ果てて、小さな村に到着した。

当地の貧しい村民は、食べ物とその他の必需品を提供してくれた。

その供養の中身はともかく、彼女たちは、感謝と真心でもって、それを受け取った。

その後に、小川の隅でこっそり沐浴して、旅の汚れを落とし、寝る場所を探して、そこで暫く休んだ。

各人はそれぞれ、一本の木を見つけて、遊行用の傘を枝に掛け、傘に垂らした薄い紗の蚊帳を、地面に届くようにし、そこに落ち葉と藁を敷いて、坐禅する場所とした。

夜12時を過ぎた頃、メーチ・ケーウはアチャン・マンの夢を見た。

彼は厳粛でかつ優しげな目つきで、彼女を見つめ、すこしからかい気味に:

” 君は、これまで、どこにいたの?

どうして、今になってから来るんだい?

私は、もう年を取ったのを、知らないのかい?”

と言った。

彼の声の内に、切迫した感じがある事、また強固な意志をも感じた彼女は、思わず、身体が震えた。

翌朝、メーチたちは簡単な朝食を済ませた。

だいたいは、もち米を蒸して丸めたものに魚醤をつけ、その上に干し肉か干し魚を足したもので、もし手に入れることができれば、芋、瓜、山菜、果物、ジャムなどもあった。

彼女たちにとって食べ物は、ただ心身の活力を、夜まで維持するためだけのもの、であった。

長時間の行脚において、彼女たちは一歩また一歩、一念にまた一念を継いで、<今・ここ>を歩むのであった。

(4-56につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>