「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)5-4
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
完璧なる心霊の戦士として、アチャン・マハブーワは、心内の煩悩を、不倶戴天の敵と見做して攻撃し、煩悩が徹底的に降伏されるまで、手をゆるめなかった。
長年来、彼の修行は、生死を賭けた戦場と化し、一回毎の座禅では徒手空拳で立ち向かい、毎回の経行ーー歩く瞑想は、どちらが負けて死ぬのかと、命を賭けた。
彼は全く同情の余地なく、一つの言い訳も許さず、心内の敵を、一つまた一つと潰して行った。
彼は休みなく攻撃し、煩悩が隠れている所の根源を探し、彼は一回また一回と、最も明らかな煩悩ーー歩兵ーーから、更に微細で、狡猾な精鋭部隊に至るまでを、攻撃した。
これら微細な煩悩は、彼らを保護する所の神出鬼没なる首脳ーー心性を覆う所の根本無明ーーに守られていた。
貪と瞋を駆動する根本無明は、長らく、狡猾に、心の幽玄なる深い所に、隠れている。
無明は、三界の輪廻の統治者として、強烈な煩悩の大群を、死んでも守ると、誓っているようであった。
心が、無明の苦しみから抜け出す為には、先に、これら煩悩の力を、解除しなければならない。
すなわち、それらの迷い惑う心の力を、無きものにするのである。
(5-5につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>