<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
アチャン・マハブーワは、心内の根本無明の保塁を攻撃し、無明の内にある、司令部を包囲するために、念と慧を運用して、相手を遁走させる事のできる軍隊を、組織した。
彼は念でもって、煩悩からの防衛とし、慧でもって、それらの力を無化したが、彼の軍隊は、組織的に、敵の要塞に肉薄した。
心内の煩悩がすべて消滅した時、最後に残ったのは、それらの総司令ーー生死輪廻を創造し、繰り返し延長させる所の、最も深層にある、無明である。
この時、彼は最後の一撃を、発動した。
それは、どのような強固な陣地であっても、必ずや攻め落とす事のできる、光り輝く稲妻のような攻撃で、無明の最後の一滴を、余すところなく殲滅し、徹底的に、輪廻の摩天楼を、叩き潰した。
その後に残った心は、徹底的に清らかで、一切の煩悩の本質から、解脱したのであった。
ここに、また一人の、円満覚醒した阿羅漢が、世に出現したのである!
同じ年、雨季の期間、落ち着いた様子で修行を終えたメーチ・ケーウは、禅修行の中で、一つの予兆を捉えた:
月と、月の周りの星々が、天から堕ちてきたのである。
彼女は、この禅相の意味を、一人の不出世の禅師と、彼の多くの利根の弟子が、もうすぐ卉晒村に来る、と解釈した。
彼女は、ひどく興奮した。
当然のように、彼女は、この予兆は、アチャン・マンが以前予言した禅師に違いない、と思った。
メーチ・ケーウは自信ありげに、その他の尼僧に宣言した。
来年、ある一人の偉大な禅師が、一群の頭陀僧を連れて、卉晒村に来る。
彼女は、誰が来るのか、その時点では分からなかったが、禅相の中に、極めて確実な予兆を見たのは、疑いがなかった。
彼女は、この禅師の到来を、以前アチャン・マンと一群の比丘が卉晒村に来たのと、同じだと考えた。
その時、彼女はまだ、小さな女の子ではあったが。
その後の何か月か、彼女の予測通り、幾人もの頭陀僧がやって来ては、去って行った。
メーチ・ケーウは期待を込めて、彼らが足を止めている森に挨拶に行き、彼らを接待したが、しかし、毎回、彼女は失望を抱えて、戻った。
これらの遊行僧が、予兆の人物ではない事だけは、確実であった。
(5-6につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>