Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)5-23

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

メーチ・ケーウは、毎日、かくの如くに、禅の修行をした。

一回また一回と、何度も重複して、内部の死体に専注した。

その結果、死亡の相と敗壊(=壊滅する事)の相が、慣性的・習慣的思惟になるまで薫陶され、一たび、己自身の身体に注意を向けると、彼女の身体の影像は、腐敗し始めるのであった。

毎回の禅の修行の時、心眼でもって、分解の過程を見た。

修習の期間が長くなると、身体組織が不断に粉砕される現象を見る事を通して、彼女は、色身における、諸々の縁による和合の本質に対する興味が引き起こされ、故に彼女は、身体の成分ーー一切の物質を構成する地水火風ーーの研究を始めた。

筋肉、骨、歯、爪、毛髪は、地大の硬い性質を有する;

血液、尿、粘液とその他の分泌物は、水大の流動性の性質を有する;

身体の体温、エネルギー、活力は、火大の現れである;

呼吸、各種の循環系統と身体的動作は、すなわち、風大の存在を証明している。

メーチ・ケーウは、身体の敗壊の過程を見る事を通して、敗壊の作用が、どのようにして、一つに聚合した所の、元素の物質的関連を分解するのか、なぜ、これらの元素を捨てて、それらを元の形態に戻らせようとするのか、を観察した。

意識が、最後にこの色身を捨て去る時、死亡が、生命エネルギーを提供している火大と風大を捨て去り、それらをして、各々の(+本来の)状態に戻らせしめる。

自在に運用する覚知の透視力をもって、引き続き、深く分け入って観察すると、彼女は、ある種の体液は、地面に滲み込み、ある種の体液は、空中に蒸発することを発見した。

体液は、地面に浸透するか、または蒸発するかした後、身体は脱水して干からびて、硬い組織と骨が残った。

これら残余の物も、徐々に粉砕され、塵土になり、最後には、徹底的に、元の地大に戻って行くのであった。

(5-24につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>