南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)5-34

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

一瞬間的内観清晰地洞見無明、

(一瞬の内観は、明晰に無明を洞察する)

令我們対這一純大苦聚集的執着厭倦、

(それは、我々をして、この一つの、大いなる苦が

聚する所の執着を厭い、倦むようにせしめる)

不再緊抓。

(かく肯えば、我々は、二度と再び、強く握りしめるのを止める。)

在這清涼的片刻、

(心の清涼なこの一時)

内心的火熄滅了、

(心内の火は滅し去る故)

自然従苦中解脱。

(自ずと、苦から解脱される)

満開の花

1952年10月、トウトチノキの花が満開になった。

ある日の午後、メーチ・ケーウは、木の下に座っていたが、心は燦然と輝いていた。

彼女は、そろそろアチャン・マハブーワに会いに行くべき時が来た、と思った。

この、己の道心を励まし、壮大で、光り輝く心内の深い場所での悟りを導いてくれた導師に、己の最高の果証を報告して、彼の、己への信頼に、報いなければならない、と考えた。

それは、斎戒日の夕方であったが、彼女は、何人かの尼僧と共に、アチャン・マハブーワに会う為に、村の端にある稲田を通り、村のもう一つの端に出て、山の洞まで登って行った。

アチャン・マハブーワが洞の入口に座っていたので、メーチ・ケーウは前に進んで三拝し、お互いに挨拶を交わした。

次に、メーチ・ケーウは、合掌しながら頭を下げて、話をさせて欲しいと願い出た。

彼女は、これまでの一年間、己が精進した所の過程の次第と体験を、細かく述べて、最後に ”師子吼” でもって、修行の最終的な果証の帰結とした:

心の光芒が四方へ放射する所の空(クウ)が、宇宙全体に浸透し、一切の有為を超越した、と。

話し終わると、アチャン・マハブーワは、彼女を見ながら、淡々と訊ねた:

”それで終わり?”

メーチ・ケーウは頷いた。

アチャン・マハブーワは、一瞬間を置くと、以下のように語った:

(5-35につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>