Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)7-3

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

    <メーチ・ケーウ法話集>

人の心は、苦痛で満たされていて、

何ものをも、はっきりと知る事が、

できない。

間抜けな人は、

肩で風を切って、苦悩を迎え入れ、

己の欲望に捕らわれ、その中に陶酔し、

苦痛を快楽だと、誤解する。

聡明な人は、

反省する事を知っていて、

己を点検し、

本当の快楽とは何か、

本当の苦とは何かを、

見極めることができる。

彼らの心は、

それほど簡単に騙される事はなく、

己の頑迷を見た時、

己が頑迷である事を認め;

己の心の闇を見た時、

己の心の闇を認め;

己の愚かと無知を見た時、

彼らは、同じ様にそれを認める。

彼らは、己の過誤を認め、

他人の過誤を見ない。

 

戒は、

出離の中で育成されるものであり;

真正なる善は、心の中にある。

 

己の心意識を、子細に観察し、

それらを注意深く点検する。

ただ、この場所においてのみ、

あなたは

天国と地獄、

覚醒へ向かう聖道、

一切の憂鬱、悲しみ、苦悩を

乗り越える帰依処を

見つけることができる。

 

人に批判されても、不満を抱いてはならない。

人に称賛されても、傲慢になってはならない。

己の過誤を受け入れ、その後に改める。

己を欺瞞してはならない。

最も重要な事は、己を欺瞞しない事。

己を欺瞞するという事は破戒と同じ。

もし、あなたが希望するならば、

世界中の人々を騙すことができるが、

決して、己自身を騙してはいけない。

 

あなたが練習しないのであれば、

禅の修行を学び取る事はできない。

あなたが自らの目で

真相を見た事がないのであれば、

真相がなんであるかを、

確実・正確に知る事はできない。

 

のんびりしていてはいけない。

朝は寒いと言い、

昼は暑いと言い、

夜は眠いと言い、

そして、修行をする時間が

ないと言う。

怠惰の指図を受けてはならず、

智者の教えを、推量してはならない。

幼稚な人は、

己の気持ちばかりを優先し、

寝る事ばかりを考えて、

枕が手放せない。

このような人は、

菩提道にあっても、永遠に進歩しない。

(7-4につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>