南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

是誰庵のひとやすみ~黄梅が熟した

中国は、魏や唐の時代、禅宗が勃興しました。

多くの人が、禅寺の門を叩き、禅の修行をしました。

それまでの中国仏教は、理論を勉強し(主に華厳経)、その会得した知識を競うものであったのですが、(達磨禅師のご努力により)仏法とは、修行して悟りを得るものだという認識に変化したのです。

素質よろしく、先に悟った者は、禅寺を開き、住職になりました。

弟子が続々とやってきましたが、弟子が優れていて、己が教えきれないと思ったなら、他のお寺に移って行くのを奨励しました。

決して、弟子を抱え込み、その数を競うような事はありませんでした。

お寺で修行しても悟れなかった某僧侶は、諦めて実家のある黄梅山に帰り、そこで悟りを得ました(悟りたい、悟りたいと意気込めば意気込む程、悟れないというバラドクス)。

そこで、元の師匠は「黄梅が熟した。あっぱれである」と褒めています。

師匠は弟子を囲い込むのをやめて、弟子は自立を目指す。これが健全な師弟関係です。

      <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay>