南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

Msさんへの回答です

Msさんから、以下のようなご質問を受けました。

「師につかず、一人で修行しています。

瞑想している最中にイメージなどを見ます。

意味づけしたり、引きずられたりしないように

気を付けていますが、それでよろしいでしょうか?」

まず、Msさんがどこにお住まいか分かりませんが、よい指導者をみつけて、その人の指導を受けられれば、一人で修行するよりは早く進むし、危険も少なくなります。

一人で修行する場合は、仏典、《清浄道論》の禅修の部分、『智慧の光』(パオ・セヤドー著)などをよく読んで下さい(<菩提樹文庫>には、『智慧の光』その他、色々な瞑想指導者のよい翻訳本が載っています。私が翻訳して載せて頂いた『掌中の葉』も、よいと思います)。

私が現時点で推奨する先生は、テーラワーダなら、

クムダ・セヤドー、ディパンカラ・サヤレー、

禅宗なら井上哲玄禅師(静岡龍泉寺)です。

クムダ・セヤドーは一年に一度、五月に来日。

ディパンカラ・サヤレーも一年に一度、正月辺りに来日。

上記は<はらみつ法友会>のWebでご確認下さい。

井上哲玄師は、Webで確認されるか、直接電話されればよいです(禅宗テーラワーダは似ていて、また、衝突する時もありますが~目は半眼、nimittaを否定等~学ぶべき点は多いです)。

で、本題ですが、もうご存知のようですが、光(nimittaではない)、色、図案、イメージなどが見えた時、修行者は、困惑するか、またはそれに魅力を感じて吸い込まれてしまいます。

その為、修行者は、注意力をこれらのものに転化してしまいがちです。

この時、修行者の心は、本来の禅定の目標から離れてしまい、本来の修行の目的からも離れてしまいます。これでは修行が進みませんから、なるべく早く、瞑想の目標、安般念などに戻って下さい。

修行者の心が少しばかり清らかになると、感官以外の事柄(異次元のフォース)に敏感になります。天眼や天耳を証得したわけではないのですが、それは神通の力と多少、似ています。

その為に、その力に吸い寄せられて、巻き込まれてしまった修行者は、予言者や占い師のような振舞いをするようになります。そして、本来の修行が疎かになり、最後には道を踏み外してしまうのです。

これは仏陀が強く禁止した、邪道です。

八聖道を踏み外さないよう気を付けて、歩みを進めて下さい。

追補:パオ・メソッド一筋で進みたい場合は、安般念で心を清らかにし、nimitta が見えるようになるまでは、一人で修行してもよいです(nimittaは、鼻の前に吸い寄せられるようにして光ります。それ以外の場所で光るのはnimittaではありませんので、それらは無視して、引き続き安般念に専注して下さい。)

nimitta が見えたら、その後は、クムダ・セヤドー、

ディパンカラ・サヤレー等、パオ僧院の先生に師事されると、危険が少ないし、早く進みます。

パオ・セヤドーは『パオ・セヤドー問答集』(<菩提樹文庫>収録)の中で、「涅槃まで一人で修行する事はできる」と述べています。道心の堅固な方はチャレンジしてみて下さい。

         <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay>