是誰庵のひとやすみ~蛇の子、王の子、子供の沙弥
私は若い頃、タイの森林寺院で修行した事があります。
その時に聞いた一口話。
<蛇の子、王の子、子供の沙弥には気を付けて>
そのココロは・・・。
蛇の子供は小さくて、頼りない感じがします。
捉まえて、尻尾を持ってふり回して、おもちゃにしてやろうかな、なんて思う腕白さんもいるでしょう。
でも、蛇は小さくても、それが毒蛇であった場合、噛まれれば致命傷になります。
子供の蛇に、ご用心ご用心。
王の子とは、王子様の事ですね。
王子様と遊んでいて、あなたが王子様に意地悪をしたら、王子様は王様に訴えますね?
そうするとやっかいな事になります。
王子様とは喧嘩しない方がよろしい。
小さい時に出家した子供の沙弥(20歳以前は、比丘になれませんので)。
でも、実は悟っていたりして・・・この子にぞんざいな口をきいてはまずいです。
小さくても仏縁のある人は大切にしましょう、という意味ですね。
ただし、沙弥や比丘等の出家者が戒律違反をしていたら、在家がそれを指摘する事は可能です。
聞き入れてもらえなければサンガに訴える事もできます(是非の裁量をするのはサンガで、在家にはできませんが)。
出家と在家はお互い支え合う仲間、同志です。
出家は修行に勤しんで、修行で得た悟り体験をダンマとして在家にお話して、在家を正しい道へ導く。
在家は家庭を守り仕事をしながら、法話を聞いて、自分のできる範囲の修行をする。
サンガを支えるのは在家。
指導する者、される者の区別はありますが、人間としては平等です。
出家者と会話する時、必要以上に卑下したり、謙譲する事もないですが、乱暴なもの言いは止めておいた方が無難、そんな所でしょうか?