<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
「偽比丘」の見分け方
序説
釈迦牟尼仏が2500年の前において、真理に覚悟(=覚醒)した。
その時、この偉大な真理を更に広く、更に長く伝わるようにとの願いから、サンガを成立させ、また広大な在家信徒を受け入れた。
出家の僧侶たちの責務は、仏の制定した律儀により、和合して共に住し、徳業を修し、仏法の教義で以て、信徒を導く事である;
在家居士は、僧侶たちを護持し、サンガが安住の場であるようにし、僧侶たちが、弘法と衆生の利益のために力を発揮できるように、サンガを支える事である。
仏陀入滅の後、仏法を維持・護持し、仏法を宣揚する責務は、サンガによって継承されてきた。
故に「賛僧功徳経」において、”僧(=サンガ)は大地の如く、一切の善法功徳を養える”といい、また”殊勝妙宝大徳僧(=サンガ)、長養衆生功徳種、能与人天勝果者、無過仏法僧三宝”とも言うのである。
サンガの功徳を讃嘆し、また四事供養を敬虔に実践する以外、サンガの尊厳を維持、護持する事、及び広大な仏教社会の基本的権益を守る事は、我々在家信徒一人一人の責任でもある。
サンガの尊厳を維持、護持する事において、マレーシア仏青総会は、国内の「偽比丘」が、日ごとに猖獗を極める事に対して、重大なる関心を寄せている。
「偽比丘」の出現は、信徒をして、袈裟という僧服を着た人に出会った時、心の内に煩悩と疑惑が生じ、元々あった敬いの気持ちを萎えさせてしまう。
ある種の「偽比丘」は、如法に行動しない。
その為、状況や事情をよく知らない人々に、仏教における、マイナスのイメージを齎している。
仏教の信徒は、仏教を維持・護持する為に「偽比丘」に対して行動を起す・・・例えば警察に知らせて逮捕してもらう等、そのような事をすれば、事情を知らない公衆に、「サンガの中に、法を犯し、規律を乱す、多くの出家者がいる」という誤解を生じせしめてしまう。
また、我が国は、僧侶の身分を審査・鑑定する法律がない為、政治的に、または国家の行政力で偽比丘に対応する事は、真正の僧侶に不必要な制限を要求するという、望まぬ反作用を齎してしまう。
故に、我々は、効果的で、後遺症のない方法でもって「偽比丘」問題を解決しなければならないと、考えており、それは、我々の信徒や、広大な社会的人士に対して、如何にして、真正な比丘と偽比丘との違いを判別するのかという、その方法と、正しい供養の仕方を教育する事だと考える。
「偽比丘の見分け方」一書は、ここにおいて、円満に出版された。
これによって、信徒及び社会的人士が、仏教の制度、特に僧侶たちの托鉢、化縁を実践する事への認識を、新たにして頂けるものと考える。
我々は、正確な護法と僧侶の供養への観念が普及したならば、「偽比丘」はその利益を貪ることができなくなり、自然に消滅するものと期待し、信じるものである。
マレーシア仏青総会
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「偽比丘の見分け方」(中国語版)中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay)