南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳番外編~「偽比丘」の見分け方(2-2)

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

南伝の出家者は、なぜ托鉢しなければならないのか?

物質文明が発達した今日においても、上座部南伝の出家者は、仏陀ご在世の当時に制定された行動規範に基づいて、三衣一鉢の生活を送っており、家々を回って、托鉢乞食をする。

過去、現在と未来の諸々の仏世尊はみな、托鉢乞食によって命を活かしたのであって、故に、外出して托鉢するのは、南伝の出家者が、仏陀の制定した、正しい命の活かし方であり、また、南伝の出家者として、実践しなければならない義務でもある。

托鉢乞食は、四聖種の中の一種である。

四聖種の意味は、出家者は、飲食、袈裟、住居、医薬という、この四種類の生活必需品に関して、(+どのようなものにも)満足しなければならない、という事である。

南伝の出家者に関して言えば、托鉢は修行の一種である。

出家者は、病気の時以外は、家族でない者、または血縁でない者に食べ物を要求してはならず、施主が布施してくれた、どのような食べ物にも満足しなければならない。

托鉢の実践は、驕慢を降伏する事もできる。

というのも、出家者は、己の生活に必要な衣、食、住、薬はみな、施主による布施に依存しなければならない事を知って、己には、何等自慢するべきものがないと自覚するからである。

出家者が外出して托鉢乞食するもう一つの意義は:

出家者が外出して乞食すれば、施主は布施をする事によって、善業を積むことができる。広大な民衆が三宝と善縁を結び、己の未来の為に、離苦得楽の善因を蒔く機会を与える事ができるのである。

同時に、出家者も托鉢を通して、仏法を宣揚する事ができる。

このように、托鉢乞食は、仏陀と諸々の阿羅漢が遊行して弘化する事を通して、広大な民衆を仏門に導く伝統的な方式なのである。

追補:出家者とは、沙弥(sāmaṇera)と、227戒を具足する南伝比丘(bhikkhu)を指す。

(2-3につづく)

     <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<「偽比丘の見分け方」 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>