Sayalay's Dhamma book

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『24縁発趣論』2-8

〔現在使用中の緊急用ノートPCの調子が悪いため、校正などは後日とさせて頂きます。メール送信も、成功したり不可であったり。あしからず〕

《願以此功徳 正法久住世間 早日証涅槃》

今、私は、法所縁について説明する。

所縁は六種類ある。すなわち;

1、五浄色:眼、耳、鼻、舌、身体。

2、16細色

3、心:一つの貪根心は、もうひつと別の貪根心の縁生法になりえる。たとえば、以前の貪を思い出して、今の貪が生じるなど。[前の貪根心は縁法であり、現在の貪根心は、縁生法である。どのような縁力か?所縁縁の中の法所縁である]

4、心所

5、涅槃;涅槃とは、出世間道心と果心の所縁である。

四種類の道心;

ソータパナ道心、サターガミ道心、アナーガミ道心、阿羅漢道心。

四種類の果心;

ソータパナ果心、サターガミ果心、アナーガミ果心、阿羅漢果心。

[四道心と四果心は、みな、涅槃を所縁とする。四つの道心と四つの果心は、縁生法で、涅槃は縁法。縁力は所縁縁。]

6、施設;すなわち概念。例えば、。家屋、部屋、海洋など等。すなわち、いわゆる世間諦(=世間的な、俗的な真理)である。概念はすべて世俗諦に属している。それは我々が修習する所の出入息、禅相等々を含む。我々が安般念を修する時、深い定により、鼻孔の下に光のような似相が生じる。この禅相が安定する時、長い時間に亘って、善心を引き付け止めることができる、一時間、二時間・・・そして、その後に初禅に入ることができる。安般念の似相は、同時に、二禅、三禅、四禅の縁法でもある。

【ここにおいて、この似相という概念は、縁法であり、その縁生法はジャーナ心、縁力は所縁縁である。】

所縁縁と因・縁は、密接な関係がある。というのも、所縁縁の出現は、貪、瞋恚、痴または無貪・無瞋・無痴を生じせしめるが故に。

たとえば、一人の人間が、金銀財宝を見た時、それを擁したいという(貪)の心が生起する;この人が、嫌いな人を見る時、嫌悪(瞋)の心が生じる、など等である。

衆生の心は、常に絶え間なく、外部にある六所縁を追い求め、それらを追い求める事において、熱狂的となる。

その原因は、彼らは、未だ外境が心霊(=心)を打つ事から遠く離れた時の、真実の平静と楽しさを経験した事がないからである。

(2-9につづく)

<『24縁発趣論』スシラ・サヤレー著 中国語版→日本語訳出

文責Pañña-adhika Sayalay>