南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

FDC資料「37道品ハンドブック」5-14 Ledī Sayādaw著

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(以下の翻訳文は、福岡ダンマセンターの法話会に供する為の資料です)

唯一、一人の修行者が、阿羅漢果を証得した時にのみ、全面的に「苦」の性質を体験・証悟する。

故に、長時間の精進・努力の後、直観(=vipassana)によって、一たび六界に内在する所の「無我」「無常」の本質に証入したならば、専注力の境地に安立することができる。

これは、「慧根」によって生起した所の主動的な優勢な(+心の状態である)。無始以来の輪廻によって、心霊上に形成された不安定性は、徐々に消失する。

ここにおいて、「心霊の不安定性」とは、物事は無常でありながら、恒常の感覚を擁し;苦痛であるのに、楽しいという感覚を擁し、良くないものであるのに、喜悦の感覚を擁し、無我であるのに、「私」という感覚を擁し、個人というのはないのに、個人という感覚を擁し、存在しないのに、存在するという感覚を擁し;人でないのに、人であるかのような感覚を擁し;非梵天、非帝釈天、非婆羅門であるのに、梵天帝釈天、婆羅門であるかのような感覚を擁し;非女性、非男性、非去勢牛、非象、非馬であるのに、女性、男性、去勢牛、象、馬のような感覚を擁している。

「不安定性」の中から解脱する事は、仏法の中において保証される事柄であり、かつ真正なる実相を観察されなければならない。

(5-15につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<「37道品ハンドブック」Ledī Sayādaw著 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>