<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(以下の翻訳は、福岡ダンマセンターの法話会に供する為の資料です)
第十章 仏法の遺産
今、私は「仏法の遺産」について、点検してみたいと思う。
「仏法の遺産」とは、仏法の伝承(=伝統)を受け入れる行為を言う。
「『施与されたもの』とは、すなわち、『遺産』の事である」(Dātabbanti dāyaṁ)。
父母は、財産を遺産として子供に贈ろうとする。
「遺産を受け取るにふさわしい者をば、『継承者』と言う」(Dāyaṁ ādadātiti dāyādo)
子供または子嗣は、遺産を受け継ぐのに相応しい者である。
「継承者が遺産を受け継ぐ行為を担う。これを『遺産の継承』と言う」
(Dāyādassa kammaṁ dāyajjaṁ)
「法の遺産を受け取る行為を、ここでは『法の遺産の継承』と言う」
(Sāsanassa dāyajjaṁ sāsanadāyajjaṁ)
これはまた「仏の遺産」(Buddhadāyajja、仏陀の伝承を受け入れる行為)とも言う。
先に、「遺産」の性質について述べる。
仏法において、二種類の遺産がある。
それぞれ「食味財」の利益と「法」である。
一人の比丘の四種類の必需品、それぞれ食べ物、衣服、住居及び薬であるが、これを「財食味」の遺産と言う。
戒・定・慧の三学は、「戒清浄道」、「心清浄道」等の七清浄道、四念住、四正勤等、37道品、これらは「法」の遺産と言う。
「法」の遺産は、合計二種類ある。それぞれ;
一、世間法の遺産;
二、出世間法の遺産。
戒・定・慧の世間増上学、六種類の世間清浄道、及び世間清浄道と関連する37道品、これらはみな「世間法の遺産」と呼ばれる。
神聖なる「道」、「果」と関連する「増上学」、超世間的な「智見清浄道」及び37種類の出世間的な道品、これらは「出世間法の遺産」と呼ばれる。
(10-2につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「37道品ハンドブック」Ledī Sayādaw著 中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>