Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

★飛び入り翻訳~《基礎発趣論(業縁と果報縁)》2-25

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

次の日の朝、国王は大臣たちを集めて会議を開き、次のような事を決定した・・・すなわち、朝政の事は、アーラタ将軍が処理し、その他の事柄は、大臣たちが分担する事、そして大臣たちに宣言した:

「これから以降、大小のすべての事柄は、みな大臣たちが処理すればよい。私の邪魔をしないでくれ。私は唯一、楽しみだけを、享受したい。

国中の天香の美女、若い女性は、皆私の所へ来るように!」

全国の民衆は紛々と議論して言った:

「国王は、ウクナ外道の邪見を聞いて、愚君になった。宮殿の中で酒を飲んで女性と戯れ、人々の生活に関心をよせない。

そして誰も、彼を諌める事ができない!」

国王の娘ルサーは、父王が言う邪見を聞いた後、以下のように思った:

「もし私が、いますぐ父王に会いに行ったら、それは非常に失礼に事でしょう。

私はやはり、これまで通り、斎戒日の前の日に、父王に会いに行きましょう。」

ルサーは、二週に一度、父王に会いに行き、その時父王は、彼女が布施・供養が出来るように、毎回、一千元のお金を渡していた。父王は、ルサーにこのお金を渡す時、ルサーがたくさん布施をして、福を修するように、と希望した。

ルサーは、斎戒日の前の日まで待って、随従たちに言った:

「明日は斎戒日です。皆さん、着物を整えて、父王に会いに行きましょう。そして、明日供養する為に必要なお金を、頂きましょう。」

国王は己の娘が、多くの随従を従えてやって来るのを見て、非常に喜んだ。

国王は嬉しそうに訊ねた:

「最近、元気にしているか?後宮にいて楽しいか?花園や湖の方へは遊びに行ったか?」

ルサーにとって、これらの事は重要ではなかったので、ルサーは丁寧に言った:

「父王の福に依りて、娘は、一切安楽に過ごしています。明日は斎戒日です。供養のために、父王に一千元を頂きに参りました。

父王様、許可をお願いします。」

国王は、今回は、お金を出さないだけでなく、ルサーに教訓を垂れた:

Bahuṃ vinasitaṃ vittaṃ 

niratthaṃ aphalaṃ tay ā 

Upostathe vasaṃ niccaṃ 

annap ānaṃ na bhuñjasi

Niyatesaṃ abhuttabbaṃ 

natthi puññaṃ abhuñhato(原文ママ)

「娘よ!もう二度とそれら意義のない事をしてはいけない。あれらの行為は、お金の浪費に過ぎない。

また、いわゆる斎戒日、物を食べない、食事をしない、それは単なる習慣的信仰に過ぎない。

実際これらの布施、持戒などは、何等の利益も齎さないものである。

あなたは生きている間、何等の布施も、持戒もしてはならない。その事を忘れないように。」 

(2-26につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<《基礎発趣論(業縁と果報縁)》 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>