<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
「弟子は真心を込めてお願いします。
世間の沙弥、婆羅門を護持しますので、皇宮に降臨して頂けますように;
弟子は真心を込めてお願いします。
世間の、一切の衆神を護持しますので、皇宮に降臨して頂けますように。
そして我が父王の為に、邪見を取り除いて下さいますように。
もし、父王に、なんらの威徳がないのであれば、どうか私の威徳、戒行、諦行をもって、各方面の神聖が皇宮に降臨し、我が父王の為の邪見を取り除き、国民の幸福を謀って頂けますように。」
ルサーは、この願を発した後、また再び、敬虔に礼拝した。
その時、我々の仏陀が、修行の為に、梵天に住していたが、それはナラタ梵天王であった。
ナラタ梵天王の説法
すべての菩薩は、みな時々刻々と正念を保持して、時々刻々、世間を観察し、世間を思惟している。
彼らは、常に、世間において、善を修し福を作す人が、どの程度まで進歩したのか;
悪い事をする人間は、どこまで悪いのかを、観察している。
故に、王女が願を発した時、ナラタ梵天菩薩には、ルサー王女の敬虔なる要請が見えたし、また、英加帝王が邪見を手放さない様子も、見えた。
故に、梵天王は思った:
「この王女は常人とは異なり、非常に優秀な王女である。私は本日、必ずや、行って様子をみてみなければならない。
この国王の邪見は、すでに全国に影響を及ぼしており、全国の人民は言葉に言えない苦しみを味わっている。
故に、私は、世間に様子を見に行ってみよう。
世間の人々は沙門、仙人に対して非常に信頼を寄せているので、私は仙人に化けて行ってみよう。
仙人に化けるといえども、老いて力のない仙人、六根の不足する仙人に化ける訳にはいかない。
というのも、そのようであれば、人々は蔑視し、無視するであろうから。
私は荘厳で端正な仙人になろう。」
こうして、彼は雅な、自分に似合う仙服を着て、右肩に、小さな披肩を掛けた;
そうして、仙人の道具を持って、梵天から人間界にやって来た。
(2-32につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<《基礎発趣論(業縁と果報縁)》 中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>