Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

★飛び入り翻訳~《基礎発趣論(業縁と果報縁)》4-8

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

加行成熟(payogasampatti)

業に言及すれば、「加行(注1)成熟」は非常に重要である(+事を強調したい)。

「加行成熟」は、身・口・意の造作を言い、その核心は、智慧、精進、正念が同時に並行して、実践されるのを、加行と言う。

智慧は、時機因縁の良しあしを覚知して、判断する事、このような時空環境を知ること、己の利益の追求はどの程度まで許されるか?等の判断を、言う。

正念もまた、智慧の覚知のレベルの範囲内において付き従い、時機因縁を念々して、覚知・察知するものでなければならない。そうして初めて、失敗や意外な不幸を招かなくて済むのである。

どのような事を為すにしても、必ず「正念」と「精進」による努力は不可欠であり、智慧、精進と正念が具足している人は、「加行成熟」円満な人間である、と言える。

もし、機智、常識、正念に欠けていて、精進が不足するならば、これを加行敗壊(payogavipatti)と言う。

加行敗壊の状況の下、まさに:

「成事不足、敗事有余」(成功する事少なく、困り事は多い)になる。

優先的に成熟するべき善果は敗壊し、悪果は、無防備の状況下において、達成される。

智慧、精進、加行の重要性

智慧、精進、正念と加行は、そのどれ一つも欠けてはならない。

これらの基礎が打ち立てられた後、その上に、博学多聞であるならば、あなたは、あなたの努力如何によって、功徳の業果は、熟するであろう。

反対に、加行敗壊の程度によって、同程度の不円満が到来し、非功徳の果報を得ることになる。

上述の状況に鑑み、満列法師は、以下のような詩を書いた:

(注1)加行とは、身加行、口加行、意加行を言う。身口意は正念、智慧、精進に相応する行為の表現であり、すなわち、加行と言う。

(4-9につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<《基礎発趣論(業縁と果報縁)》 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>