Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

『阿羅漢向・阿羅漢果』1-1(1/100)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

阿羅漢向:滅苦の正道

(アチャン・マハー・ブーワ尊者の修行体験記)

今日の仏教は、仏陀の教えが、言語文字のみ、残されている。また彼の教えは、経典として保存されている。

皆様に気を付けて頂きたい事。

今日の仏教界は、煩悩の汚染の浸蝕を受けて、もはや、真正なる修行は残されていない、という事を。

身は仏教徒でありながら、我々は、己の心を混乱と迷い・惑いの中に置き、煩悩の中に沈潜し続け、全方位的な苦痛の中に置いている。

これらの煩悩は、すでに我々の心の中を制服(=制圧と降服。以下同様)しており、我々は、如何に努力しようとも、それらの影響を、振り払うことができないでいる。

絶対多数の人間は、それに抗う意志さえも持たない:

彼らはただ目を閉じて、煩悩が己を攻撃するのに身を任せ、それらに抵抗する為の、なんらの努力も払おうとはしない。

心を観察する為の、念住に欠けている為、彼らの思想と一切の言語的行為は、すべて煩悩に覆われたものになっている。

長期にわたって、彼らは、堕落的な力の前に屈服し続けてきた為、今に至って、妄念を制服する動力に、欠けているのである。

念住がないならば、煩悩は奔放に、やりたい放題に妄して、夜についで日についで、一切のレベルにおける行為に、影響を与える。

この過程において、煩悩は、不断に、負荷と圧力を強め、人々の心に苦しみを齎している。

(1-2につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<『阿羅漢向・阿羅漢果』 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>